用途地域ガイド
日本の都市計画法で定められた13種類の用途地域と、 民泊営業(住宅宿泊事業法・旅館業法)の可否を初心者向けに解説します。
凡例
用途地域別 民泊可否一覧
| 用途地域名 | 民泊(住宅宿泊事業法) | 旅館業法(簡易宿所) | 主な建物用途 |
|---|---|---|---|
第一種低層住居専用地域 | ⚠️ 条件付き | ❌ 不可 | 戸建住宅、小規模店舗兼用住宅 |
第二種低層住居専用地域 | ⚠️ 条件付き | ❌ 不可 | 戸建住宅、小規模店舗 |
第一種中高層住居専用地域 | ⚠️ 条件付き | ❌ 不可 | マンション、アパート、大学、病院 |
第二種中高層住居専用地域 | ⚠️ 条件付き | ⚠️ 条件付き | マンション、中規模店舗、事務所 |
第一種住居地域 | ✅ 原則OK | ⚠️ 条件付き | 住宅、ホテル(小規模)、店舗 |
第二種住居地域 | ✅ 原則OK | ✅ 原則OK | 住宅、ホテル、カラオケ、パチンコ |
準住居地域 | ✅ 原則OK | ✅ 原則OK | 住宅、自動車関連施設、ホテル |
田園住居地域 | ⚠️ 条件付き | ❌ 不可 | 住宅、農業用施設、農産物直売所 |
近隣商業地域 | ✅ 原則OK | ✅ 原則OK | 商店街、スーパー、飲食店、ホテル |
商業地域 | ✅ 原則OK | ✅ 原則OK | デパート、オフィスビル、ホテル、映画館 |
準工業地域 | ✅ 原則OK | ✅ 原則OK | 軽工場、住宅、店舗、倉庫 |
工業地域 | ⚠️ 条件付き | ❌ 不可 | 工場、倉庫、住宅(制限あり) |
工業専用地域 | ❌ 不可 | ❌ 不可 | 大規模工場のみ |
各用途地域の詳細
第一種低層住居専用地域
低層住宅の良好な環境を守るための地域。建物の高さが10mまたは12mに制限。
住宅宿泊事業法に基づく届出制で営業可能(年間180日以内)。ただし自治体条例で区域制限・日数制限がかかる場合あり。旅館業法による簡易宿所は原則不可。
第二種低層住居専用地域
主に低層住宅の環境を守る地域。小規模な店舗(150㎡以下)が可能。
住宅宿泊事業法に基づく届出制で営業可能(年間180日以内)。自治体条例による制限あり。旅館業法による簡易宿所は原則不可。
第一種中高層住居専用地域
中高層住宅の環境を守る地域。大学・病院・500㎡以下の店舗が可能。
住宅宿泊事業法に基づく届出制で営業可能(年間180日以内)。自治体条例による制限あり。旅館業法は原則不可だが、特例許可の場合あり。
第二種中高層住居専用地域
主に中高層住宅の環境を守る地域。1,500㎡以下の店舗・事務所が可能。
住宅宿泊事業法に基づく届出制で営業可能。旅館業法も条件付きで可能な場合あり。自治体条例による制限確認要。
第一種住居地域
住居の環境を守るための地域。3,000㎡以下のホテル・旅館が可能。
住宅宿泊事業法・旅館業法ともに営業しやすい地域。ホテル・旅館も条件付きで建築可能。自治体条例は要確認。
第二種住居地域
主に住居の環境を守る地域。ホテル・旅館・パチンコ店等も可能。
住宅宿泊事業法・旅館業法ともに原則営業可能。ホテル・旅館の建築も可能。最も民泊に適した住居系用途地域の一つ。
準住居地域
道路の沿道にふさわしい業務と住居の調和を図る地域。
住宅宿泊事業法・旅館業法ともに原則営業可能。国道沿い等に多く、アクセスの良さを活かした民泊に好適。
田園住居地域
農業の利便性と住居環境の調和を図る地域(2018年新設)。
住宅宿泊事業法による営業は可能だが、農村環境保全のため自治体条例で厳しい制限がかかる可能性あり。農家民泊(農泊)とは異なる法的位置づけ。
近隣商業地域
近隣住民のための商業施設が集まる地域。日用品の買い物等に便利。
住宅宿泊事業法・旅館業法ともに原則営業可能。商業エリアのため、周辺に買い物・飲食施設が充実。集客力のある民泊に好適。
商業地域
銀行・映画館・百貨店等が集まる都市の中心部。
住宅宿泊事業法・旅館業法ともに最も営業しやすい地域。大規模ホテルも建築可能。繁華街・ターミナル駅周辺に多い。
準工業地域
主に軽工業の工場等、環境悪化の恐れのない工場が立地する地域。
住宅宿泊事業法・旅館業法ともに営業可能。倉庫リノベーション等のユニークな民泊に活用されるケースもあり。
工業地域
どんな工場でも建てられる地域。住宅・店舗も建築可能。
住宅宿泊事業法による届出は可能だが、ホテル・旅館の建築は制限。周辺環境(騒音・臭気等)に留意が必要。自治体条例で追加制限の場合あり。
工業専用地域
工場のためだけの地域。住宅・店舗・学校・病院等は建てられない。
住宅の建築自体が禁止されているため、住宅宿泊事業法による民泊は不可。旅館業法による営業も不可。民泊営業はできません。
⚠️ 重要な注意事項
- 住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出制は、 年間営業日数が180日以内に制限されます。
- 各自治体は独自の条例で、営業可能区域・日数をさらに制限できます。 必ず該当自治体の条例を確認してください。
- マンション等の場合、管理規約で民泊が禁止されていることがあります。
- 旅館業法に基づく営業許可は、用途地域による建築制限を受けます。
- 本ガイドは一般的な情報であり、最終判断は必ず管轄の保健所・自治体にご確認ください。